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THINK PIECE

THE COMPLETE STUDIO

アジア特有の勢いとモラルを兼ね備えた台湾を舞台に、
岡沢高宏が、店作りを通じて、伝えたかった想いとは。

08 7/15 UP

Text:Hiroshi Yamamoto Photo:Shoichi Kajino

──
『THE COMPLETE STUDIO』というショップ名の由来を教えてください。
O :
「まず、物件を見たときにスタジオっぽいな、と思ったんです。ショップというのは、物を買うだけではなく、そこの印象から個々でそれぞれ何かを感じ取る場所でもあると思うし、提案する側だけでなく、皆が活用できる場所でもいいと思えたから。。そういう意味で『スタジオ』がベストだなと。『コンプリート』というのは、クオリティを高めたい想いや、みんなの気持ちが満たされる、そういう意味が含まれています。作っていく過程で浮かんだ言葉ですね」
──
岡沢さんにとって初めての店作りだったと思うのですが、オープンを迎えて数ヶ月経ちました。改めて振り返って見て、いかがでしたか?
O :
「僕がこれまで服作りを通して表現してきたこととは、違う世界観になりましたね。空間として自分が表現したいことを再認識させられました。ショップとしての観点だけではなく、自分がこれまで歩んできた道のりを集約したような店。ブランドのセレクトやショップの設計、デザイン、カフェスペース、そして台湾・台北という街、すべては人との関わりがあってこそなんですよ。最初に台北で出来たのは本当に良かったと思っています」
──
今回はセレクトショップになりましたが、『THE COMPLETE STUDIO』のコンセプトはプロジェクトとして広がりがありそうですね。
O :
「インターネットの普及によって、情報そのものはフラットに共有できているとは思います。でも、その情報をどう捉えるかが重要なんですよね。今回の店作りを通じて伝えたかったのは、そういう部分なんです。今後も感覚的部分も踏まえた良い意味での共有スペースとして、『THE COMPLETE STUDIO』のアイディアを広げていきたいですね」

 

ショップ関係者、知人が語る、台湾及び『THE COMPLETE STUDIO』、そして岡沢高宏について。

山本宇一 HEADS 代表
http://www.heads-west.com/

──
台湾・台北の印象を教えてください。
山本宇一(以下: Y )
「台北は昔と未来が混在するような街ですね。人が多く、バイクも多く、混沌としている。ただ、人は礼儀正しく、人懐っこい。日本(東京)に対する純粋な憧れが強いようで、東京以上に自由な気風が街に漂っていますね」
──
今回は併設しているカフェスペースを手掛けています。台湾という街で、何を表現しようとしましたか?
Y :
「新しいものや文化を吸収しようという街の強いパワーに応えるべく、東京にも無いような場所を作りたい、そう思いました。人が集まり台湾のオリジナルのカルチャーが生まれるような、そんな場所を表現したいなと」
──
実際に完成を目にして、率直な感想を教えてください。
Y :
「東京にもこんな場所があれば良いのにな、と思いましたね」
──
最後に岡沢さんに一言お願いします。
Y :
「岡沢さんが想い描いているヴィジョンがしっかりしていたので、デザイナーの形見さんと僕とで迷うこと無く、楽しく、理想の形にできたと思います。今後も台湾の人たちの期待にしっかり応えていきたいですね」

 

形見一郎 Kata 代表
http://www.kata2001.com/

──
形見さんは台湾・台北という街をどう見ていますか?
形見一郎(以下: K )
「エネルギッシュで、魅力的な街。昔の日本を思い起こさせる、少し懐かしい雰囲気も併せ持っているな、と」
──
店舗作りをするうえで、意識したことなどはありますか? 
K :
「『東京の今』をきちんと伝えられたら、というのは意識していました。実際に仕上がりを見てみると、東京にも台北にもありそうで無い、ダイナミックな空間に出来上がった思います」
──
それでは最後に岡沢さんに一言お願いします。
K :
「このような機会を頂いて、ありがとうございました。これからも岡沢さんらしく頑張ってください」