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THINK PIECE

Smart Bands to Watch

VOL.2 THE TING TINGS
D.I.Y.精神が成功の秘訣?! 世界を魅了する男女ユニット

08 10/7 UP

Text:Mayumi Horiguchi Live Photo:Ryota Mori

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その後、ザ・ティン・ティンズは英国のメディアにひっきりなしに登場し、要注目のバンドとして、様々な媒体にピックアップされることに。その事実に、二人は驚きを隠せなかったという。
J :
「"えっ、何が起こってるの?"って感じだったね。回りからの反響が大きすぎた。だからこそ、逆に二人で取り決めをしたんだよ。"事態をシリアスに受け取ることは、絶対にやめようね"ってね(笑)。とにかく、二人だけのために音楽活動をしよう──そう決めたんだ」
K :
「リック・ルービンからの反応にはびっくりしたわ。私たちの作った音楽が、彼の耳に入ってたなんてね(笑)」
J :
「マイスペースで僕らの音楽を聴いたっていうEメールが、リック・ルービンから届いたんだよ。初めはマジ、たちの悪いジョークかと思った(笑)。でも事実だったんだ。彼は去年ロスでライヴをやった時にも、会場まで足を運んでくれて。ついには、一緒に仕事をすることになるなんてね」
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ザ・ティン・ティンズといえば、そのファッション・センスの良さも人気の一翼を担っている。ベッツィー・ジョンソンやドルチェ&ガッバーナといった有名デザイナーたちが、ランウェイで彼らの曲をフィーチャーしたことも話題になった。ファッション業界からも熱い視線を浴びている二人だが、ケイティの生まれ育ちは、実はとても素朴だった!

 

K :
「私、農家で生まれ育ったのよ。マンチェスターの中心地にも、ティーンエイジャーになるまで出たことはなかったし、親が多大なレコード・コレクションを持ってるってわけでもないから、ラジオから流れてくるポップソングを聴いて育ったの。バックストリート・ボーイズとかスパイス・ガールズなんかが好きだったわ。いまだにスパイス・ガールズのペンシルケースを持ってるぐらいだもん(笑)。もちろん、年を取るに従って、もっとクリエイティヴ性の高いバンドを好きになっていったわよ。ポーティス・ヘッドやトーキング・ヘッズ、トム・トム・クラブみたいなね。服装に関していえば、私はファッション・フォロワーじゃないわね。手作りの服が好きだし。誰かが作ったものをそのまま着るなんて、アイデンティティーがないって感じで嫌。もちろん、ファッション業界の人が私たちの音楽を好んでくれているのは素晴らしいことだし、嬉しいけれどね」
J :
「ケイティは、デザイナーによるアウトフィットを、そのままステージ上で着たりすることは、絶対にしないね。ステージ上でも、普段、街を歩いている時と全然変わらない。髪の毛も、自分で切ったりしてるしね、彼女(笑)」
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基本的基本、とでもいうD.I.Y.活動ゆえに成功を手にしたザ・ティン・ティンズの二人。今後の活動からも目が離せない。