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THINK PIECE

BUNNEY

スタッズに込められたアンドリュー・バニーの独創力

09 12/3 UP

Photo:Marius W. Hansen, Shoichi Kajino, Masaki Sato Interview:honeyee.com Translation:Mayumi Horiguchi

Stussy、Gimme 5、Dr. Martensのクリエイションに携るほか、i-D Magazineのコントリビュータとして活動するなど、ロンドンを拠点に、独自のスタンスでクリエイティビティを発揮するアンドリュー・バニー。その彼が今年、ジュエリーやアクセサリーを展開する新ブランド、Bunneyをローンチした。そのBunneyのスタッズが、日本では、F.I.L.をはじめとした限定店舗で、本格展開される。それを記念し、アンドリュー・バニーにインタビューを敢行。「長きにわたり人々に親しまれるプロダクト作りたい」と語るアンドリューが自身のクリエイションについて語る。

 

ANDREW BUNNEY/アンドリュー・バニー

1976年、イギリス生まれ。STUSSY、GIMME 5のプロダクトデザインを行うほか、Dr. Martensのクリエイティブ・ディレクターや“i-D Magazine”のコントリビュータとして活動する。今年、2009年にはジュエリー、アクセサリー・ブランド“BUNNEY”をスタート。

BUNNEY
http://www.bunney.co.uk/

 

──
ジュエリー制作を考えついたのはいつですか? なぜ、そうすることにしたんですか?
「以前からずっと、ジュエリーには興味を持っていた。百貨店の宝飾品フロアを訪れたり、伝統的な宝石店に立ち寄った時にはいつでも、どんなものが販売されているのかと、好奇心いっぱいなんだ。でも、自分のために欲しいと思うものを見つけることは、めったにない。それに、ジュエリーっていうものの大半は、なんであんなにも厳格にカテゴリーが限定されているんだろうって思ってた。かつて僕らが作った製品から感じ取れるような身近さをいっそう感じられるような、新しい何かを生み出したいんだ。初の製品である、シルバー925で鋳造したピラミッド・スタッズのピンバッジのアイデアは、とてもチープな品々を参考にして考案した。スタッズは、その使用法の特徴ゆえに、とても面白い。衣服やアクセサリーを、さらに特別なものへとしつらえるためには、どこにどうやってスタッズをあしらえばいいのかと考えることに、人々は常に、多くの時間を費やしてきたんだからね」
When did you think about making jewellery? Why did you do it?
I've always been interested in jewellery. Whenever I go to the jewellery floor in department stores or pass by traditional jewellery houses, I am always curious about what they are selling, but I can rarely find something that I want for myself. Over time I also wondered why most of the jewellery categories were so rigid. I want to create something new yet with the familiar feelings that come from products that we are used to. The idea for the first products, pyramid studs cast in 925 silver as pin badges, originates from very cheap objects. Studs are very interesting because of the nature of how they are used, people have always spent a lot of time thinking about how and where to place them to make their clothing or accessories more special to them.

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あなたの以前の経歴について教えてください。そのキャリアが、あなた自身の作品やブランドに、どう影響していると思いますか?
「ファッションには、ずっと強い興味を抱き続けてきた。だから、常に多くの雑誌を購入したり、いろいろな店を訪れたりしていたよ。その時、何歳だったのかな? それは忘れちゃったけど、僕が初めて就いた職業は、独立店舗のスケート・ショップでの仕事で、服や靴の買付を担当していたんだ。当時はちょうど、たくさんのスケーター系のブランドが、それ以前よりも、メインストリームに認知され始めた頃だった。英国では、チェーン店がハードウェアと並べてスケーター・ファッションも売り始めた頃で、独立店舗にとっては、多くの物事が変化していた時期だね。そして国を出て、ニューヨークに行った。それに、しばらくは東京にも滞在したよ。ヴィンテージのアメリカ製の服やレコードを扱っていたんだ。ヴィンテージUSスタイルには常に魅了され続けてきたから、たくさんの品々を捜すことができたのは、本当に素晴らしいことだったね。英国では、入手困難な状況となっていることが多いからね。英国に戻り、仕事とは距離を置いて休養を取った後、ファッションを学ぶために学校に通った。そして、ロンドンで、フレーザーとマイケルと一緒に、ギミー5で働き始めることになったんだ。楽しい日々だったよ——ギミー5の各店舗とステューシー向けのスペシャル・アイテムを作ってたんだ。同時に、複数の会社のために、フリーランスのデザイン業務も手掛けていたんだけど、そのうちの一つがドクターマーチンで、パートナートと共同で、製品のディレクションをまかされるようになった。この仕事が、僕らを現在の立場へと導くこととなったんだ。小規模な会社と仕事をするときには、とてもパーソナルなものと感じられるように、製品を仕上げたいと思っている。自分が作りたい、あるいは売りたいと思っているものを思う存分に手掛けることができる独立性が保たれることも大切だね。多くのヴィンテージ衣服が、元々は大量生産品として製造されたものだったとしても、個々の中に独特さを発見することも可能だ。僕も、そういった感覚を上手く出すことができればいいなと思っている。それに、今製作中のものに関しては、手っ取り早い方法を採る必要はないしね」
What was your career before? How did your career influence your works or your brand?
I was always very interested in fashion, always buying a lot of magazines, always visiting shops. My first job at was at an independent skate store buying the clothing and shoes at a time when a lot of skate brands started to be more accepted by the mainstream. In the UK, chain-stores had started opening selling skate fashion presented alongside hardware, so things were changing quite a lot for independents. From there I went to NYC and then for a while in Tokyo too, dealing with vintage American clothing and records. Vintage US styles were always very appealing to me so it was great to be able to find a lot of things that were often inaccessible in the UK. I returned to the UK to take a break from work and went back to school to study fashion. I then started working for Gimme 5 with Michael and Fraser in London. It was a fun time - making special items for the Gimme 5 shops and also for Stussy. I had also been doing some freelance design work for companies, one of which was Dr. Martens and I started to look after their product direction with my partner which leads us up to now. When I was working with small companies, I like how products can feel very personal. The independence that comes with it, where you can largely make or sell what you want. Even though a lot of vintage clothing was typically made in mass production, you can find uniqueness there too due to age and preservation. Hopefully I can take that sense of care and not have to take shortcuts with what I make now.