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THINK PIECE

Interview with KAWS

<OriginalFake>3周年を前に、
KAWSへインタビュー。

09 5/2 UP

Photo:Kengo Shimizu Text:Hiroshi Yamamoto

honeyee.comではブロガーとしてもお馴染みのアーティスト・KAWS。
MEDICOM TOYと共にプロデュースする〈OriginalFake〉、
その2009年秋冬コレクションのエキシビションのため来日している彼にインタビューを敢行。
〈OriginalFake〉のスタートから3年という月日を経て、思うこととは。

 

──
まず、今回来日した目的から教えてください。
「今回は〈OriginalFake〉 の2009年秋冬コレクションの展示会に合わせて、ですね」
──
初来日の頃に比べて東京の景色、印象に違いはありますか?
「最初に東京に来てから12年近く経っていますから、いろんな変化を感じています。特に表参道の街並みは様変わりしましたね。最初は東京という街がとても特異な街に映っていたんですけど、今では大都市の1つという印象。頻繁に来ているからというのもありますし、僕自身年齢を重ねてきたから、そう感じるのかもしれません。ただ、僕にとって東京は第二の故郷と言えるほど、安らげる場所。この街で本当に沢山の素晴らしい人々に出会い、僕自身も成長できた。だからこそ、毎回来るのが楽しみな街なんですよね」
──
5月3日には〈OriginalFake〉が3周年を迎えます。この3年間はこれまで以上に濃密な時間を過ごしたと思うのですが。
「そうですね。ブランドをスタートしてからは、仕事量が格段に増えました。おかげで、充実した時間を過ごせている実感があります。ただ、具体的なアイディアや作品を持っていくべきレベルを自分で理解できているし、それらに掛かる時間も予測の範囲内なので問題はありません」

 

──
経験を重ねることは、服作り、作品作り、双方にたくさんの影響を与えると思うのですが、この3年間で意識的な変化はありましたか。
「これといって、大きな変化は無いんですよ。服作りと作品作り、どちらのフォーマットも10年以上やってきていますから、両方とも僕にとっては自然な作業。ただ、僕の興味を掻き立てるうえで、どちらも不可欠な存在になってきました。プリントや製造が如何に正確にできるかを追及することにワクワクしたり、また1人でスタジオに籠りペインティングに没頭したり……。2つの表現の場が与えられているのは、本当に恵まれていると思っています」
──
KAWSにとって服作りと作品作り、どのように線引きしているのでしょうか。
「〈OriginalFake〉へのデザインが新しいペインティングのインスピレーションになることもあれば、その逆もある。だから、意識的に線引きするようなことは無いですね」
──
今野さんの加入は、服作りの過程を激変させたと思います。それぞれの役割、進行方法を教えてください。
「役割としては今野さんがアパレルディレクター、僕がグラフィック要素担当ですね。お互いに可能な限りたくさんのコミュニケーションを取り、あらゆることを話し合いながら進めています。彼の加入により、〈OriginalFake〉の服は格段に進歩しました。今野さんは非常に才のある人物。100%の信頼を寄せているからこそ、円滑に仕事が進められるし、お互いに刺激を受けながら、より高いレベルの服作りを目指すことができるんです」
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最近ではシーズン毎にコラボレーションも展開しています。KAWSにとってコラボレーションを行う意味を教えてください。
「コラボレーションを行うことは僕にとって有意義な作業の1つ。〈OriginalFake〉を始める前から多くのブランドと一緒に仕事をしてきましたし、〈OriginalFake〉として引き続きできることには、とても感謝しています」