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THINK PIECE

9<ナイン> ~9番目の奇妙な人形~

ダークファンタジーでありながら、
アクションシークエンスを併せ持つ長編アニメーション。

10 5/7 UP

text: Milkman Saito

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ちなみに本作、プロデューサーとしてあのティム・バートンと、『ウォンテッド』のティムール・ベクマンベトフという超個性的な監督ふたりが関わっている。
「ふたりは今回の企画の最初の段階から参加してくれたんだ。もともとはもうひとりのプロデューサーのジム・レムリーとの関係があったからなんだけど、僕としてはこの素晴らしい映画作家ふたりが僕の作品の導き手になってくれるなんて、もう嬉しくて仕方なかった。でもふたりともちょうど自分の作品に入ってたので、毎日顔を合わせるようなことはなかったけど、ある程度まとまった部分を途中で観せて、フィードバックをもらうということを何回かした。僕は毎日この映画に埋もれっぱなしの状態で近視眼的になっているだろ? それをフレッシュな目で観て、批判・批評してもらえたのが凄くありがたかったね。彼ら自身も監督だから、僕のことをすごくリスペクトしてくれたし。自分たちのイメージを押しつけるよりも、むしろクリエイティヴなものづくりができる環境を作ってくれて「必要なときは助けるからね」っていうようなコラボレーションだった。でも編集段階に入ったとき、『ウォンテッド』を完成し終えたティムールが付き合ってくれたんだ! 編集はもちろんサウンドレコーディングまで一緒にしてくれて、とても助かったよ」

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シェーン・アッカーはこの作品の原型となった短編『9』(アカデミー短編アニメーション賞ノミネート)をはじめ、3本のアニメを自身のウェブhttp://www.shaneacker.com/で公開している。『ハングネイル』はアメリカのグロテスク・ユーモアのアニメ作家、ビル・プリンプトンのような過激ギャグ映画だし、『Mr.グレネイド』もまたナンセンス・ギャグの掌編。そっちのタイプの作品を創る意志もひょっとしてあるのでは?
「『Mr.グレネイド』は、4年半かけた短編(オリジナルの『9』)の製作中に「もうダメだ!できないよコレは!」って煮詰まってしまったとき、ワン・キャラクター、ワン・セットってシンプルなかたちで作ったんだ。それで欲求不満を解消して短編版を作り終えることができたってわけ(笑)。ま、僕はいつも自分の背中を押して新しいことにチャレンジしていきたいし、居心地のいいところに居座るつもりもないからコメディも面白いかもね。でもやっぱり好きなのはダーク系なんだなあ」

 

9<ナイン> ~9番目の奇妙な人形~

原案/監督:シェーン・アッカー(アカデミー賞®短編アニメーション賞ノミネート)
脚本:パメラ・ペトラー『ティム・バートンのコープスブライド』
製作:ジム・レムリー『ウォンテッド』、ティム・バートン『チャーリーとチョコレート工場』、
ティムール・ベクマンベトフ『ウォンテッド』
キャスト(声):イライジャ・ウッド、ジョン・C・ライリー、ジェニファー・コネリー、
クリストファー・プラマー、クリスピン・グローヴァー、マーティン・ランドー、フレッド・ターターショー
提供/配給:ギャガ powered by ヒューマックスシネマ
原題:9/アメリカ映画/2009年/カラー/ヴィスタ/80分/ドルビーデジタル
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5月8日(土)より新宿ピカデリー他にて全国ロードショー
5月9日(日)は“9<ナイン>の日”。
新宿ピカデリーにて1日限定でティム・バートンが絶賛したオリジナルの11分短編『9~オリジナル・ショートフィルム』を同時上映。

9.gaga.ne.jp