honeyee.com|Web Magazine「ハニカム」

Mail News

THINK PIECE

BRODINSKI

ポスト・フレンチ・エレクトロシーンをリードする、若き才能。

10 3/17 UP

photo: Shoichi Kajino  text: Yosa

その楽曲がJusticeやErol Alkan、Boys Noizeといったトップアーティストに支持され、一躍シーンをリードする存在となったBrodinski。テクノやハウス、ヒップホップの要素を内包した個性的な楽曲はもちろん、そのDJプレイにも非常に高い評価が集まっている。Daft PunkやJusticeとは全く異なるベクトルで、自身の音楽性を表現する、若干22歳の若き才能。その根底を支える「音楽的柔軟性」とは?

Brodinski

フランス・ランス出身のDJ、プロデューサー。Justice、Erol Alkanなど、ダンスミュージックシーンのトップDJ、アーティストたちが、彼のデビューシングル『Bad Runner』をヘビープレイ。フランス出身でありながら、Daft Punkのようなフィルターハウスとも、その後のJusticeのようなエレクトロとも異なる、 全く新たな音楽性を表現。ポスト・フレンチ・エレクトロ・シーンをリードする存在となりつつある。

http://www.myspace.com/brodinskimusic

 

──
昨晩のWOMBでのギグでしたが、いかがでしたか。
「クラブもお客さんも本当に良かった。素晴いパーティだったと思うよ」
──
日本とヨーロッパのお客さんに、反応の違いは感じますか。
「日本のお客さんの方が、より音楽に聴き入っている気がするな。どんな音楽がかかっているのか、DJは誰なのかを基準にクラブに来ているんだと思う。純粋に音楽とパーティを楽しんでいるように感じだよ。僕にとっては世界で一番のお客さんだったな。ヨーロッパみたいに異常な酔っぱらいもいないしね(笑)」
──
あなたの楽曲を聴くと、様々な音楽的バックグラウンドを感じるのですが、キャリアはいつから始まったんですか。
「キャリアと言えるかどうかは分からないけど、DJとして世界中を周れるようになったのは2年前だね。その前はホームタウンでパーティをオーガナイズして、そこでDJをしたりしていたよ。それからYuksekとオリジナルの楽曲も作るようになって、それを皆が気に入ってくれたんだ。DJを始める前はギターを習っていたこともあるんだけど、僕の演奏はあまりにひどかったからやめたよ(笑)」

──
尊敬するプロデューサーや、特に影響を受けたDJなどはいますか。
「プロデューサーとしてはそんなにいないんだけど、DJだったらAndrew Weatherwallや2 Many Djsかな。彼らが長い間、素晴らしい活動をし続けているところにとても魅力を感じるよ。それから、Erol AlkanやBoys Noize。彼らは常に新しいプレイスタイルを探しているんだ。彼らのことは本当に尊敬しているよ」
──
あなたのプレイを見ていて、Pioneer CDJ-2000の使い方が非常にユニークだと感じたのですが、この新しいCDJについてはどう思いますか。
「CDJ-2000は本当に素晴らしいよ。全ての事がシンプルになって、様々な可能性を秘めていると思う。でも操作があまりに簡単だから、誰もが1週間もすればDJになれてしまうというのは危険かもしれない。テクノロジーが進化したことや、インターネットを通じて、DJのやり方や音楽の作り方を学んだり、世界中のアーティストの音楽を聴くことができるのは素晴らしいことだと思うけどね」

 

──
CDJ-2000ではUSBでプレイすることも可能になりましたが、あなたはCD-Rを使ってましたよね。
「ポケットにはいつもUSBが入ってるんだけど、まだ多くのクラブはCDJ-2000が設備されていないからね。それに、僕は音楽をCD-Rに焼いている時間が好きなんだ。週末のために選曲したり、BPMをチェックして、それをCDに焼くのに2時間かけることがね(笑)」
──
今までのクラブシーンではジャンルが細分化されていて、それぞれの間に壁があったように感じるのですが、最近では徐々にクロスオーバーし始めている気がします。今後、このシーンはどう移り変わっていくと思いますか。
「確かにクロスオーバーは始まっていると思う。ただ2年前はミニマル、去年はハウス、みたいに、その時々での流行はあるよね。僕個人としては、これから何が起こるかを予測することよりも、その変化を見ている方が好きなんだ」

──
最近では現場でのDJが忙しいために、なかなかスタジオでの制作作業に時間が取れなくなってきているんではないでしょうか。
「そうだね。でも僕はスタジオでの作業があまり好きじゃないんだ。DJとして現場でプレイしている方が好きなんだよ。YuksekやBoys Noizeは移動中の飛行機や宿泊先のホテルでも、どこでも音楽を作ることができるんだけど、僕にはまだそんなことはできないから、彼らの事は尊敬するよ」
──
実際にDJでプレイする楽曲はどのように選んでいるんですか。
「もちろん自分のオリジナルもかけるし、毎週プロモがたくさん送られてくるから、その中から選んでいるよ。それに、僕はDJをしていない時は24時間オンラインにいるから、インターネットで色んな曲を聴いているね」