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THINK PIECE

BRODINSKI

ポスト・フレンチ・エレクトロシーンをリードする、若き才能。

10 3/17 UP

photo: Shoichi Kajino text: Yosa

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今でもMySpaceは頻繁に利用していますか。
「最近はあまり使っていないね。今でもアーティストの発表の場としてはいいものだと思うけど、実際にアーティストにコンタクトを取ることは難しくなってしまったと思うんだ。3年前であれば、有名なアーティストでも、メールをすればコンタクトが取れて、そこからコネクションや、何かしらのチャンスが生まれていた。だけど今は、その量があまりにも増えてしまったことや、スパムが原因で、それも困難になってしまったたんだ。アーティスト同士のコミュニケーションの場としては、今はFacebookやTwitterがMySpaceの代わりになっていると思うよ」
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近年、何かと注目されることの多いフランスのクラブシーンですが、最近の傾向はどういったものになっていますか。
「4年前にEd Bangerがブレイクして、世界中がフランスのクラブシーンに注目するようになったよね。フランスのクラブシーンにいる人達はすごく個性的で、常に他の人達とは違うことをしようとしている気がするな。それがたまに行き過ぎることもあるけど、その中から素晴らしいDJが輩出されているわけだから、とてもいいことだと思う。ただ、僕自身もそのシーンにいる一人だから、それを客観的に説明することはできないな」

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フランスのクラブシーンとして、エレクトロが取り上げられることが多いですが、実際にはその裏で、テックハウスやディープハウスといったシーンも確実に人気を高めてきていると思います。そういったシーンとの関わりというのはあるのでしょうか。
「少し前までは、僕も彼らの作る曲をプレイしていたよ。最近は僕には少しディープになり過ぎて、かけることは少なくなってしまったけどね。でもSupplement FactsのGuy Gerberのトラックはよくプレイしていたし、OkainやPaul Ritchは仲のいい友達だよ。Okainの曲は、僕のMix CDにも入れたしね。確かにフランスではエレクトロ以外にも、テックハウスシーンはすごく人気があるよ」
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あなたは他のシーンにも精通しているようですね。
「今、シーンがクロスオーバーし始めているとは言え、未だに自分がいるシーン以外のことを知らない人が多いと思うんだ。僕はエレクトロ以外にもテクノやダブステップ、それにさっき言ったGuy GerberやOkainのようなテックハウスも聴くし、よく知っている。僕はそういった音楽的柔軟性を持っていると思うし、シーンが本当にクロスオーバーしていくには、必要なことなんじゃないかな」
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今後の活動予定や将来の目標はありますか。
「1月の末に完成させたトラックが、Sindenの新しいレーベルからリリースされる予定だよ。3月にはそのプロモーションのために、マイアミで行われるWinter Music Conferenceでプレイすることになっているんだ。それから、2枚のMix CDを制作中で、1枚はヒップホップをフォーカスしたもの、もう1枚の方はディープなハウスやテクノ、ダブステップのものになる予定だよ。今回、こうして日本でプレイすることができたのは、僕にとって大きなステップになったし、とても良い経験になったよ。今後も他の人達とは違うことをやり続けていきたいね」