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THINK PIECE

DELPHIC

中毒的なビートと叙情的なメロディを融合、
既成概念を破るサウンドを作り出す、新たな才能。

10 4/23 UP

Text: Kohei Onuki

──
1stアルバムのプロデューサー、Ewan Pearsonは過去にThe Raptureのプロデュースも手掛けていますけど、アルバムを制作する上で彼はあなた方にどのような影響を与えましたか。
M :
「僕たちの音をとても綺麗に整えてくれたことも勿論だけど、『単にダンスミュージックに影響を受けたバンドサウンドじゃなくて、より新しい音をクリエイトしたい』という僕たちの意識を、彼もしっかりと共有してくれたところは良かった。しかも彼とは、バンドサウンドからClaude Debussyのようなクラシックまで、幅広く音楽の話が出来るんだ」
──
先程「叙情的な音楽」という言葉が出ましたが、あなた方の曲そのものは勿論、ミュージックビデオもとても叙情的ですね。特に2ndシングル“This Momentary”のビデオは、チェルノブイリ近くの荒廃した街のイメージを美しくコラージュした作品で、とても叙情的でした。あなた方は映像にも強い興味があるそうですが、どのような映像作家や作品が好きですか。
M :
「僕たちはシネマティックな作品が好きだね。ミュージックビデオを制作してもらう時は、単に音楽をプロモーションするための映像ではなくて、僕たちの音楽が無くても、それ自体がアート作品として成立する映像を制作してもらうようにしている。映画監督ならStanley KubrickやAndrei Tarkovskyが好きかな」

──
あなた方は1stシングルを出した直後に、音楽シーンの最前線に踊り出ました。2008年のバンド結成から今日までの短期間でここまで成功出来るとイメージ出来ていましたか。
R :
「バンド結成当時は、日本でライブを行う、というような具体的なことまではイメージ出来なかったよ。けれど、自分たちが理想とする音楽を作る、という意識は強く持っていたし、そのための努力はしてきた。だから、現在の状況が思いがけないものだとは思わない。より良い作品を作りたい、という気持ちだけでこれまで活動してきたし、今まで以上の作品を作ることが出来る、という自信もあるよ」
──
2ndアルバムの制作は既にスタートしているんですか。
J :
「去年の9月頃からツアーで忙しくて中々スタジオに入れていないんだよね。次のアルバムのためにスタジオに入るのが本当に待ち遠しいよ。ただ、曲として構成されたものはないんだけど、アイディアはどんどん出てきている。だから、早くアイディアをカタチにして、曲を作り込んでいきたいんだ。ただ、年内に新譜をリリースするつもりではいるし、水面下で動いているところだから、楽しみにしていてね」

 

Delphic 1stアルバム『Acolyte』(日本盤)

レーベル: Hostess
2,200円[税込]
発売中