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THINK PIECE

DJ Harvey×Kenji Takimi

瀧見憲司が探る、“生ける伝説”DJ Harveyの秘密。

10 4/27 UP

Photo: Shoichi Kajino Text: honeyee.com

T :
「Harveyはいつも人生を楽しんでいるように見えるけど、ハッピーである秘訣は? Harveyの様な生活に憧れている人は多いと思うんだけど、それを実現させるのはなかなか難しいよね」
H :
「水をたくさん飲んで、たくさん寝ることだね(笑)。人の半分以上は水でできているし、睡眠は不可欠なものだからね。たくさん摂れば全てがうまくいくさ(笑)。確かに自分でも、今のライフスタイルが送れていることはラッキーだと思ってるよ。怠け者なのに、自分のアートだけで生活できているんだから。でも僕には大きな車も、豪華な家も必要ない。おいしい食事と、仲のいい友達、それからゆっくり寝られる場所さえあれば、それだけでハッピーなのさ」
T :
「10年前に生活の拠点をイギリスからアメリカに移した理由は?」
H :
「僕は楽天家だから、何か特別に考えがあったというわけではないな。世界中のどこにでも住むことができる状況だったから、中国でもインドでもよかったんだ。結局、カリフォルニアに住むことになったんだけどね。カリフォルニアに移ってからは、とてもいい生活が送れてるよ。世界中を旅して古い友人にあったり、お金を稼いで子供におもちゃを買ったり、ハワイのナイトクラブで遊んだり。こうして8年振りに日本に訪れることもできたことだし。全てのことがうまくいっていて、ポジティブ・スパイラルの真っ只中といった感じだね。この歳になって、こんなに最高の人生が送れていることを、幸運に思っているよ」
T :
「ここまでの評価や名声を手にして、自分の存在やDJがクラシックになったという実感はある?」
H :
「そんなことないね。今の僕の彼女は21歳なんだけど(笑)。彼女たちの世代にとっては、確かに僕はクラシックかもしれないけど、自分のことをそうだと思ったことは一度もないよ。僕はまだまだキッズでいたいし、もっと色んな事が知りたい。古いレコードを漁るのもいいけど、新しい音楽に興奮していたいんだ」
T :
「これまでにいくつかのプロジェクトが短命のうちに終わってきたけど、最近始まったLocussolusはこれからパーマネントに続いていくの?」
H :
「Locussolusは僕と2人の女性ヴォーカルのユニットなんだ。今2枚目のEPの準備にとりかかっているところで、3枚目を出してからアルバムを出そうと思っているよ。でもいつまで続くかはわからないな。明日には終わってるかもしれない(笑)。自分の気が変わらない限り続けていくよ」

 

T :
「最近またリ・エディットが流行っていて、玉石混淆の異常な数のリリースがあるけど、リ・エディット・オリジネイターの世代としてそれについてどう思う?」
H :
「制作機材が進歩して、誰でも簡単にリ・エディットできるようになったから、ひどいアレンジのものや、原曲の良さを損なってしまっているようなものが多くなった思う。でも良いものもあるし、そういうものは僕もプレイしているよ」
T :
「ただやればいいってもんじゃなくて、エディット次第で、その作品が良くもなるし悪くもなるよね」
H :
「その通り。例えば映画だってそうさ。エディットが悪ければ、全体のストーリーを理解することすら出来なくなってしまうからね。ただ僕の場合は、音楽をリ・エディットをする上で『あえて良くない部分を残す』ということもしているんだ。というのも、良くないパートをあえて残すことで、その曲の良い部分をより際立たせることが出来るだろ。良くない部分をあえて残すのも、リ・エディットのコツだと言えるね」
T :
「Locussolusは今までのHarveyの作品とは違って、ケミカルなものを感じるだけど、何か趣向の変化があった? 音の質感もかなり変わったように聴こえるんだけど」
H :
「幅広く音楽を楽しんでるだけさ。最新のプラグインを使って、モダンな曲を作りたくなってね。今もアナログな制作もしているけどね。最近はベニスにあるスタジオで新しいエンジニアとやってるからそのせいもあると思うよ」
T :
「Daniele BaldelliやA Mountain of OneのMo、そしてHarveyや僕も参加する、Phil Manzanera(Roxy Musicの元ギタリスト)のリミックス・プロジェクトがあるけど、曲はもう選んだ?」
H :
「まだなんだけど、彼の曲では、"Diamond Head"が好きなんだ」
T :
「リミックスといえばCrue-L Grasnd Orchestraの新しいのもよろしく。ところでこの91年のFunk DJ Rev FusionのB面ってHarveyの作品(箱からレコードを取り出して)なの? Harveyがエンジニアとしてクレジットされていて、音もチープなアシッドハウスで味があるんだけど」
H :
「よく見つけたね!? これは僕の初めてのハウスのレコード。でもこの作品に関しては僕は特に何もしていないんだよね(笑)。というのも、この曲を制作したのは僕の友人なんだけれど、プロモーションのために僕の名前を使いたかったみたいだね(笑)」
T :
「その革ジャンは?」
H :
「これはビンテージのラングリッツだよ。かっこいいだろ」
T :
「音楽でも服でも、今は技術が発達して、見た目はビンテージで中身のテクスチャーは今日的というのがあるけど、そういうのはどう?」
H :
「うーん、オリジナルのよさはオリジナルだからだと思うよ。見た目をそれっぽくするのならリ・エディットのほうがいいかな」
T :
「レコードを使ったDJカルチャーは、ビンテージ・カルチャーになっていくのかな」
H :
「うまく言えないけど、バイクやサーフィンのカルチャーと同じように、生き続けていくんじゃないかな。過去はヒストリー、未来はミステリーだよ」

 

『Rainbow Disco Club』

日時:2010年5月2日 (日) 
時間:10:00~21:00
場所:晴海客船ターミナル臨港広場特設ステージ 
東京都中央区晴海5-7-1

前売券:¥5,000(4/30まで)
当日券:¥6,000/¥5,500 (フライヤー持参)
http://eplus.jp/rdc/
http://iflyer.tv/event/56434/RAINBOW-DISCO-CLUB/

【RAINBOW DISCO】
<DJ>
DJ HARVEY (Locussolus, Map of Africa / Black Cock // LA)
MATT EDWARDS (Radio Slave, Quiet Village / Rekids // Berlin)
METRO AREA (Darshan Jesrani / Environ Records // NY)
NICK THE RECORD (Life Force)
KENJI TAKIMI (Luger E-Go / Crue-L)
GO KAMINOMURA (Steppers Records)
KOJIRO (Fragment Design/Vintage Noise)
<VJ>
REALROCKDESIGN

【THE TOP】
<LIVE>
VINCE WATSON (Bio, Planet E, Delsin / UK)
MIRKO LOKO (Cadenza, Desolat, Planet E, Wagon Repair, Border Community / Swiss)
SIDE B (Frame Recordings / Kumo)

<DJ>
AME (Frank Wiedemann / Innervisions // Berlin)
LEON & SKINNI PANTS (Redbox)
TEZ & KUSDA (Raft Tokyo)
LOUD MINORITY RADIO (Hash & Jaybee)
KELIE

<SOUND DESIGN>
ASADA (Air Lab)

<SOUND SYSTEM>
FUNKTION-ONE

[問]RAINBOW DISCO CLUB 事務局
Tel: 03-6805-3518
http://www.rainbowdiscoclub.com/

『Rainbow Disco Club -After Party-』

日時:2010年5月2日(日)
時間:23:30~
場所:UNIT/SALOON

前売券: ¥3,000
当日券: ¥3,500/¥3,000(フライヤー持参)
特別優待:¥1,750("Rainbow Disco Club"リストバンドをされている方)

【SALOON】-Rainbow Disco Club After Party-
KENJI TAKIMI (Luger E-Go / Crue-L)
TEZ & KUSDA (Raft Tokyo)
UMEMOTO (Civilesto)
YOSHIZO YOSHIMURA (BGF)
RAHA (Ooooze)
SAKATAKU

【UNIT】-Danceship meets Rekids Night-
RADIO SLAVE
MR.G (LIVE)
FORCE OF NATURE
REALROCKDESIGN (VJ)

[問]UNIT/SALOON
Tel: 03-5459-8630
渋谷区恵比寿西1-34-17 ザ・ハウスビルB2/B3F
www.unit-tokyo.com

『DJ HARVEY 2010: TOUR OF JAPAN supported by Stussy』

【TOUR SCHEDULE】
4/28(水・祝前)@ MAGO(名古屋)
4/29(木・祝日)@ ASIA(愛知)
4/30(金)@ MUGEN(広島)
5/1(土)@ RAISE(群馬)
5/2(日)「RAINBOW DISCO CLUB」@ 晴海(東京)
5/3(月・祝前)@ DECADENT DELUXE(福岡)
5/4(火・祝前)@ PRAHA(新潟)
5/5(水・祝日)@ OPPA-LA(江ノ島)
5/7(金)@ TRIANGLE(大阪)
5/8(土)@ ELEVEN(東京)

*Artist promoted & Tour coordinated by HITOMI Productions
http://www.myspace.com/hitomipro
[email protected]