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THINK PIECE

Steve Aoki×Dexpistols

Dexpistolsと探るSteve Aoki流
「ミュージックシーン・サヴァイヴ術」

10 5/26 UP

Photo: Shoichi Kajino, Masanori Naruse Translation: Mimi Shimada Text: Kohei Onuki

DJとして世界中を飛び回るかたわら、人気音楽レーベル、Dim Makの運営をこなすSteve Aokiが新木場ageHaで開催されたパーティ、BAAMMに登場。クラウドを半狂乱に陥れるアグレッシヴなDJプレイを披露した。その超攻撃的DJスタイルだけに注目が集まりがちなSteveだが、レーベル・オーナーとしての彼は、無邪気に音楽を楽しみながらも、実に戦略的。今回、そのSteveとかねてから交流を持ち、自身も2ピースDJバンドとして、また東京発の人気音楽レーベルRoc Traxを主宰する立場として、ミュージック・シーンを盛り上げるDexpistolsとSteveの対談が実現。Dexpistolsと共に、激しく変化するミュージック・シーンで着実な成長を続けるDim Mak、そしてSteve Aokiの「ミュージックシーン・サヴァイヴ術」を探る。

Steve Aoki

The Bloody BeetrootsやMSTRKRFTなど、ダンスミュージック・シーンの人気アーティストを数多く擁するレーベル、Dim Makのオーナー。また、自身もアーティスト、DJとして、世界を股に股にかけて活躍する。
http://www.dimmak.com/

Dexpistols

DJ MAARとDJ DARUMAによる2ピースDJバンド。また、M.S.K.やBAZZなど、数多くの有能なアーティストを擁するレーベル、Roc Traxを主宰。Roc Traxレーベルからは、今年1月にリリースされたレーベルコンピ『Lesson.06 “Roc Trax Jam”』のリミックス・アルバム『Roc Trax Jam Remixes』が発売されたばかり。
http://www.myspace.com/dexpistolstokyo

 

──
Steve、Dexpistolsは以前から交流があるとのことですが、互いのDJスタイルや音楽のどのような部分に魅力を感じていますか。
Steve Aoki(以下:S)
「DexpistolsのDJスタイルは、クラウドと一つになってフロアをロックしているところが素晴らしいと思う。それに、バンギンなビッグトラックからディープなテクノまで、幅広い曲をプレイしているところもすごくいいね。みんなが知っているヒット曲だけじゃなく、良質でディープな曲をもプレイすることで、それを聴いたオーディエンスが新しい音楽と出会うきっかけを作っていると思う」
DJ DARUMA(以下:D)
「Steveも僕たちも、DJスタイルや音楽性がどんどん変わっていっているよね。お互い、常に進化しようとしているんだと思う」
S :
「僕がDJをする時は9割以上、自分の持ち曲をプレイするんだけど、オリジナルやリミックス・ワークだけじゃなくて、他のプロデューサーと一緒に作った曲もたくさんかけるんだ。人とコラボレーションすると、異なる感性同士が混ざり合って全く新しいものが出来るよね。そうして僕は進化を続けて行くんだよ」
DJ MAAR(以下:M)
「レーベルをやっている者として、そういう部分はすごく共感出来る。人と人との繋がりを通じた進化がしたくて、レーベルをやってるわけだからね」
──
Dexpistolsの二人はDim Makレーベルのリリースをまめにチェックしていますか。
D :
「Dim Makの新譜はBeatportでチェックしてます。ただ買えない曲が時々あるんだよね。色々な契約の問題で、日本からは買えないことがあって」

 

S :
「そうだったの!? 知らなかったよ」
D :
「そうそう。だから僕はプロモで送ってもらったものをチェックしている。Michel Jackson“Dancing Machine”のSteveリミックスはすごくよかったよ!!」
S :
「ありがとう!! これからもたくさん新譜リリースの予定があるんだ。新譜の音源があるから聴いてみてよ(ラップトップを開いて、次々とリリース前の音源をかける)。僕は最近、Rifokiっていうバンドもやっているんだけど、今そのバンドではハードコアとエレクトロをミックスさせたクレイジーな曲を作ってるんだ!! 他にもThe Bloody BeetrootsやAfrojack、Armand Van Heldenとの曲も続々リリースする予定だよ」

D :
「いま聴かせてもらった曲の中にも、かけてみたい曲がいくつかあるね。それにしても、Steveは本当にハードワーカーだね(笑)。自分の好きなことをやり切っているところにはすごく共感するし、尊敬できる」
──
Dim Makからもたくさん新譜のリリースがあるようですが、Roc Traxでは、これからどういったサウンドをプッシュしていこうと考えていますか。
D :
「レーベルを運営する立場から言うと、どんなサウンドをプッシュしていくかは、それぞれのアーティストに委ねて、彼らの個性を最大限に尊重している感じです。Roc Traxには、僕たちが信用しているアーティストしかいないし、今後も彼らのサウンドを更に進化させたものをリリースしていきます」