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THINK PIECE

BRODINSKI × KIRI × SAM TIBA

大注目のフレンチダンスミュージックレーベル『BROMANCE』。

14 6/24 UP

photo & text: Shoichi Kajino

 

──
カニエ・ウェストのプロジェクトでは、さらにその上の世代のDAFT PUNKともお仕事をしたそうですが?
B
「いや、一緒にスタジオに入ったわけではないけどね。彼らは、先輩というより『別世界』。去年のアルバムのように<簡単ではない>音楽をあそこまで売ったのは素晴らしいと思う。自分がフレンチであることに誇りをもったよ。そしてDAFTの二人は今でも音楽のことばかり考えているというのが、素晴らしい。常に好奇心を失っていないんだ。全ては好奇心がカギとなっていると思う。そのカギが全てのドアを開くんだ」
──
カニエ・ウェストもその好奇心を保っていますね。
B
「まさに、そうだと思う。彼はパリでアルバムを作っていた際に、新しいフランスのアーティストと仕事をしたがっていたそうだ。ある日、ラフ・シモンズで働いているピエールという男がヘッドホンで聴いていた音楽が、音漏れして、カニエの耳にとまったそうなんだ。それでカニエは『その音楽、何?大きい音でかけて』といってかけたのが、僕の音楽だったという…」
K
「かわいいエピソードだね」
B
「彼からのオファーはとてもシンプルだった。短いメールが一通届いた。『HELLO. I WANT TO WORK. BYE』みたいな」

K
「以前、SO-MEがカニエのヴィデオを作った時もマネージャーからではなく、全て直接本人が感想や意見を言ってきてくれるから、すごくやりやすかったと言ってたよ。最近のPUSHA Tのヴィデオの時もそんな感じだったって」
B
「彼はパリが好きだし、とてもジェントルマンだ」
K
「しばらくパリに住んでいたみたいだね」
B
「パリのフレッシュなアーティストを探していて、僕らのオフィスにいろいろな音を聴きにきたこともあったよ」
──
ところで、KIRIくんはこの夏はまたパリに行くそうですね。

 

K
「近いうちにパリで展示会をしたいと思っていて、下見も兼ねて遊びに行く感じです」
B
「いいね! ぜひ一緒にGANGSTA RAPのパーティをしよう!自分の名前を伏せてラップ限定のパーティをやりたいんだ。実はラップだけの時のDJ名義はTHE BOOGIEMANっていうのがあるんだけどね」
K
「それ公表したら、覆面の意味がないよ(笑)……実際、ルイ(BRODINSKI)とはその辺りのラップの趣味が共通してるんです」
──
BROMANCEのイメージはとてもエレクトロニックで、パワフルな印象ですが。

B
「そうかもしれないけれど、ラップ、テクノ、ハウスなど、ダンス・ミュージックを自在にミックス出来るのがBROMANCEのスタイルだよ」
──
この数年で一気にミックスのスタイルもずいぶん変わったのでは?
B
「スタイルは変わってはないと思う。ただ、よりオープン・マインドになったということかな」
K
「すごく進化はしてるけど、根っこは同じだよね。わかる人にはわかると思うし、自分も洋服作るときに意識する部分と近いかな」
──
SAMさん、そろそろCLUB CHEVALについての近況を教えてください。
SAM TIBA (以下:S)
「CLUB CHEVALはもうすぐアルバムのレコーディングを終えて完成する。2015年の頭にはリリース出来ると思う。もちろん、BROMANCEから。ルイと僕らの仲は彼がBROMANCEを始める前から始まっているんだ。僕がトラックを作るのを彼が手伝ってくれていたから、知らず知らずのうちに僕らはBROMANCEの一部になっていた」