GONZALES
ネガティヴなエネルギーの蓄積が生んだ“ソフト・パワー”真の奇才、
ゴンザレスのポップ・ミュージック
08 5/9 UP
Text&Photo:Shoichi Kajino
- ──
- パリに移ったことで、あなたの音楽がより“ロマンティック”になったというのは思い込みでしょうか?
- G :
- 「それは主に『Solo Piano』の印象からじゃないかな?」
- ──
- いえ、今回の『Soft Power』を聴いても、以前にはなかった種類のメランコリックなフィーリングを感じたのですが。確かに今回もピアノの音は印象的です。あるいはそれは、もしかしたら年齢を重ねたからでしょうか?
- G :
- 「一概には都市のせいでも年齢のせいとも言えないと思うね。どちらもが深く関係しているんだろうけれど、理由はひとつではないだろう。うん。ところで、あのピアノ・アルバムはね、パリで他人のプロデュースの仕事に追われている間に書きためておいたものなんだ。他人の音楽だけでは辛くて…、自分の音楽を作り続けたいという欲望で、この部屋に戻っては書いていたものだった。それでスタジオに入って録音したらすぐに出来たアルバムなんだ。それを聴いたときにピアノ以上に何も加える必要がないと気づいたよ。あれはただのスケッチじゃない。それ自体で充分な作品なんだ。正直、思わぬ反響の大きさに驚かされたよ。僕は他人にサプライズを与えるのが好きなはずなのに、逆にサプライズをもらったような気がしたね」
- ──
- 間もなくツアーが始まりますが、今回はどんなステージを期待していいでしょうか?
- G :
- 「ドラムにモッキーを呼んで、バンド・スタイルでと考えている。“リアル(現実)”な音と“シュルリアル(超現実)”なイメージを組み合わせたステージにしたいと思っている。それから今回こそは日本にもツアーに行くつもりだよ!」