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THINK PIECE

SPARKLE!

HIROMIXが「音楽×アート」の総合アート作品で見せた
未来への道標

08 12/5 UP

Interview:Hisao Ebisu (Onegram) Photo & Illust:HIROMIX

1995年、高校卒業後に新鋭のフォトグラファーとしてシーンの注目を集め、以降、ガーリーフォトの先駆として成功を収めながらも、デビューから約10年目を境にその活動を控えてきたHIROMIX。その彼女がこのたび、フォトグラフ、イラスト、テキスト、そして音楽を一体とした総合アート作品『HIROMIX presents SPARKLE!』を発表した。DJとしても活躍する彼女が選び抜いたエレクトロコンピレーションCDと52Pに及ぶアートブックが一体となった本作。その根底に流れる彼女の研ぎ澄まされた時代感覚、そして未来への希望とは?

HIROMIX / ヒロミックス

写真家、文筆家、DJ、モデル。1995年、写真集『SEVENTEEN GIRL DAYS』でCANON写真新世紀荒木賞を受賞。同年、CANON写真新世紀最優秀賞を最年少で受賞し、新鋭として注目を集める。以後、国内外のハイファッション誌、カルチャー誌で撮影を手掛ける他、広告、音楽プロモーションなどの分野で活動。また、ショートフィルムやミュージックビデオの映像監督、文筆家、DJ、モデル等、幅広いジャンルにおいて活動。2001年、第26回木村伊兵衛賞を最年少で受賞し、写真家としての地位を確立。近年は、LIBERACION誌(仏)にて世界の50人の女性クリエイターに選ばれる他、SOFIA COPPOLA監督作品『LOST IN TRANSLATION』への出演など、様々なシーンで活動を行う。
http://www.myspace.com/1000953735

 

──
まず、今回の『SPARKLE!』、エレクトロのコンピレーションCDと、 イラスト、写真、テキストで構成されたブックレットが一体となる形で発表されましたが、これはどういうコンセプトで製作されたのですか?
「オファーを頂く前に『日本にはコンピレーションが色々あるのに、エレクトロはないな』と考えていたら、そこにオファーが来てびっくりしました。『私で良いのかな?』と。結局2ヵ月発売が延期してしまいましたが。コンセプトは、最近女性のDJが増えていることもあり『女性向け』ということ、『DJを始めたい人へ』ということ、そして『エレクトロを聴いてみたい人』へ向けたもので、聴きやすさを重視しました。エレクトロは、ロックギターで表現しきれなくなった新たな若者の心の叫びを、機械が生み出すより激しい音で表現していると思います。現代の若者は前の時代の未解決問題のしわ寄せを受け、やり場のない怒りや悲しみを感じ、SOSを発信しようとしても、それらを外に出せず閉鎖感を持っています。
エレクトロには、そのような時代においても湧き上がってくる強い意志、ポジティブな心、生命の輝きを感じます。その輝きをタイトルに表現しました。その他にクラブのミラーボール、ラメのアイシャドーやスパンコールの服の輝き、人々が喜びを感じている時の瞳の輝きも意味していますし、あとは活気、才気、放電という意味も込められています。このCDを聴いて元気に毎日を過ごして欲しいですし、クリスマスも近いので、プレゼントとしてもおすすめです」