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THINK PIECE

SPARKLE!

HIROMIXが「音楽×アート」の総合アート作品で見せた
未来への道標

08 12/5 UP

Interview:Hisao Ebisu (Onegram) Photo & Illust:HIROMIX

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曲のセレクションはどのような基準で行われたのですか?
「基本的にはレーベルからのリクエストである"Girly"といテーマに沿い、甘めの女性ボーカルと明るい歌詞がのった曲を多く選びました。実はその頃は既に遊びに行かず、新譜もほとんどチェックをしていなかったので、半分は私が聴いていた新譜などから選びましたが、音が激し過ぎてNGが出たものもあったので、残りの半分は新たに新譜を聴いた中から選びました。最近『エレクトロはこれからが始まり』という話を聞いたのですが、やはりロックと同じように続いていくものだと思います。小学生が簡単な機材を駆使してエレクトロの楽曲を製作していたり、ゲームソフトで作る若者も多いそうです。私は60年代カルチャーのワクワク感が好きなので、今のエレクトロのように時代性が色濃く反映されたカルチャーにもかなり興味があります」
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ブックレットに収められた水彩画とアクリル画の方ですが、これはいつ頃から描いているものなのですか? この絵を通して表現したかった事はなんですか?
「今回の作品は締切り間近になって描きました。締切りで夏フェスにも行けずに……。この世は現実の世界と幻想の世界が2つ同時に存在して、お互いに影響しあっている、という物語を読み、そこから影響を受けた雰囲気と、愛について描きました。見た人がそのイメージを受け取って恋愛や人生に良い影響があるように、と願いを込めました。それに、今回は印刷物になることを意識して、印刷物に反映されやすい色や質感に配慮しています。かなり雰囲気はよく出た方ですが、今回の製作チームは、デザイナー以外は音楽関係者なので、細かいクオリティに関しての意思疎通が大変でした。原画はまた違う色彩なので、いつか展示で見せていきたいです」

 

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2002年に出た作品集『HIROMIX 01』も写真とテキストとドローイングで構成された本でした。写真、文章、絵のそれぞれ表現する際の違いなど何かありますか? また、その3つを一緒に表現した理由もあれば教えて下さい。
「表現する際の違いは特にはありません。『自身の内面から出て来る』という意味では一緒。写真は現実の中に幻想を探し出すこと、そして絵は幻想を現実に表すこと。文章はメッセージや願いです。『今の世の中に必要なものは何?』、『世の中をより良くする方法は?』など常に考えていて、それらが表現されています。今回の作品には徹夜で仕上げた刺繍も入っています」

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テキストはHIROMIXから世の中への問いかけのような印象を受けます。何か現在の世の中に対して感じている事があれば教えて下さい。また、テキストを通して伝えたかった事などあれば。
「願うことで未来を変えられる、と考えている人がいる一方、願うことを諦めてしまっている人もたくさんいます。未来はこれから来るものだから、明るい未来を描くことを諦めないで欲しい。人によって理想の形は違うけれど、世界の流れをよく見て、『今の自分が何を為すべきなのか?』難しく考えなくてもいいから各々が理想の世界を描いて欲しいです。それに心の充足もすごく大事。最近の世の中には、失敗を許さない、という風潮があるけれど、それに対して多くの人が違和感を持っていると思います。もう少し隙というか、余裕があっていいです。あとは、ネットなどで外からの情報を得るだけでなく、『自分自身はどういう人間なのか?』自身の内面を探索、分析することが必要だと思います。私が何故自分自身を撮影しているのか、という理由が最近分かって、そこには『自分自身を見つめて下さい』というメッセージがあるのだと気付きました」