honeyee.com|Web Magazine「ハニカム」

Mail News

THINK PIECE

PART OF THE WEEKEND NEVER DIES

SOULWAXのワールドツアーを追った
ドキュメンタリーDVDが発売

08 12/10 UP

Portrait:Shoichi Kajino Text:Misho Matsue

SOULWAXの3年間120都市に及ぶワールドツアーの集大成として、DVD『PART OF THE WEEKEND NEVER DIES』が発売された。膨大な情報量がカットアップされたツアードキュメント、ロンドンはFabricでのパフォーマンスを中心に構成されたライヴ映像、そしてその音源を収録した CDと、過去にSOULWAXのライヴに足を運んだ人だけでなく、一つのムーブメントを疑似体験するにも十分な内容だ。SOULWAXとしては一昨年の夏以来となる来日ステージを終えた翌日、2 many dj'sとしても大活躍中のディワーラ兄弟のデイヴィッドが、"モンスター"ツアーとDVD、そして未だ涸れることのない音楽への愛を語る。

SOULWAX / ソウルワックス

2 many dj'sとしても活動するステファン(Stephen)とデイヴィッドのディワーラ兄弟、ステファン(Stefaan)、スティーヴの4名からなるバンド。2004年にアルバム『Any Minute Now』、2005年に『Any Minute Now』のリミックス・アルバム『Nite Versions』を発表。同年より3年間に渡るワールドツアーを行ない、2008年春にその模様を収めたフィルム『PART OF THE WEEKEND NEVER DIES』を公開。このたび日本でもライヴCDを組み合わせたDVDパッケージとして発売された。

 

──
ようやく日本でもSOULWAXのツアードキュメントDVD『PART OF THE WEEKEND NEVER DIES』が発売されることになりました。さて、このタイトルにはどんな意味を込めたのでしょうか?
「RADIO SOULWAXに遊びに来るお客さんにとっては、週末のSOULWAXのギグというのは大きなイベントなのかもしれないんだけど、僕たちにとっては例えば、兄のステフは昨晩のパフォーマンスの後朝7時まで飲んでいて、バンドは明日メキシコへ発ってまた朝5時までプレイして、翌日には別の都市へ飛んで朝6時まで……、といったように、毎晩のように続くことなんだ。そういう意味では、僕たちにとってはウィークエンドが終わることはない。ただ、今の世の中にはこういう毎日を過ごしているキッズもいると思うから、僕たちのことだけを指しているわけじゃないんだけど」
──
ウィークエンドのような生き方、それはポジティブな意味でですか?
「どちらでもあるかな。もちろん週末は楽しいよ。でも気を付けていないと、まともではいられなくなってしまうかもしれない。例えば今でこそ僕ら自身はどうマネジメントすればいいのかを経験的にわかっているけれど、DVDにもドラッグを摂取しているであろうキッズがたくさん出てくるよね。簡単にジャッジしたくはないんだけど、明らかにここ数年で彼らを取り巻く状況は変化していて、5年前や10年前の若者とは全く違うジェネレーションだと思うんだ」
──
このDVDにはツアーの興奮が詰まっているだけでなく、ジェームズ・マーフィー、エロル・アルカン、ジャスティスなど、SOULWAX周辺の人々の視点や過激なユーモアも盛り込まれていますよね。作品のコンセプトはどのように生まれたのですか?
「ツアーを回る中で、僕たちがプロデュースするイベントRADIO SOULWAXは、さっき言ったような新しい世代を巻き込んだサブカルチャーとして世界中に広がっているのを実感するようになったんだ。でもそれは体験として波及しているものだから、参加していない他の人々とは共有できない。そのムーブメント、そして周辺の人々を今回ドキュメントとしてフィルムにしたのは、実はレーベルの意向も大いに関係あるんだけど、僕たちとしての条件はただ一つ、『信頼できる人に任せられること』だったんだ。PVなどを手がける映像ディレクターにロードムービーを撮って欲しくて人探しを始めたんだけど、今回監督をお願いしたサム・ファラマンドの作品を見た瞬間、『彼こそ一緒にフィルムを作るべき人だ』と思ったよ。しかも会ってみると10代の頃からSOULWAXのファンだったと分かって、彼ならこのムーブメントを正しく捉えられると思ったし、実際スムーズに作業が進んだんだ」