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THINK PIECE

STONED GREEN APPLES

STONED GREEN APPLESの考える“私たちのポップ”。

08 5/2 UP

Text:Tetsuya Suzuki Photo:Shoichi Kajino

グッドルッキンなギャル2人組がノイジーでハードエッジな“ロック”をハズれかかった独特のテンションでプレイする。編成はドラム&ギター、だけ。初めて観るものは皆、狐につままれたような表情で、しかしステージに釘付け……。かつてのノーウェーブ、あるいはローファイといったムーブメントの影響を感じ取ることもできなくはないが、何かが決定的に違う……。ウワサのバンド、STONED GREEN APPLESとは何者なのか?

 

──
そもそもSTONED GREEN APPLESとしてバンドを組む以前は、それぞれ、どのような音楽活動をしていたのですか?
aya(vo,g)(以下: A )
「私は高校生位までクラシックピアノをずっとやってたんです。その後、大学生の時にバンドを始めて。その後も自分1人でラップトップミュージックとかを作ったりはしていたんですけれど、でも、やっぱりバンドがしたいというか、ライブがしたいという事があって。それで彼女を誘ったって感じです」
──
cassさんは、誘われた時、ドラムはやっていたんですか?
cass(drs)(以下: C )
「やってないです」
──
では、何をやっていたんですか(笑)?
C :
「ふらふらしていました(笑)」
A :
「ドラムを叩かせたらかわいいと思ったんです。私、女の子ドラムとか女の子ベースとかが好きなんですね。彼女が叩いたらかっこいいだろうなと思って、『叩かない?』って言ったら、『うん』ってノリ良くて(笑)」
C :
「自分で詞を書いたリはしていて、高校生の頃は『これ歌いたいんだけど』って言って、友達にギターを弾いてもらっている横で歌ったりというのがあったくらいで、ライブをやっていたとかは無かったです」

 

──
2人はどんな音楽が好きだったのですか?
C :
「私も色々聴いていて、環境的には小さい頃はお兄ちゃんがヒップホップを聴いていて、お母さんがカーペンターズを聴いていて、お父さんがクラシックギターを弾いているみたいな環境ではあったんです。90年代に入り中学生になって、その辺からは色々聴いていました」
A :
「私は、最初はモーツァルトやバッハなどのクラシックミュージックが好きだったんですけど、父親が音楽好きで家にUKロックやジャーマンロックなどがあって、好きに選んで聞いていたんです。T-REXやNEU!とかクリムゾンとかも好きだったし、それがティーンエージャーの頃で、最近は80’SのDNAとかジェームス・チャンスとか好きですね」
──
マニアックですね(笑)。
A :
「マイケル・ジャクソン、マドンナも好きです」

C :
「ジャネット・ジャクソンも好きです」
A :
「カイリー・ミノーグも好きです。最近のエイミー・ワインハウスとかも好きですよ」
──
新鮮に感じるのは、例えばヒップホップやる人はヒップホップ的なカルチャーや思想を、パンクやる人はパンク的なアティチュードも含めてハマっていく傾向ってあるじゃないですか。それとは違いますよね。音楽は好きだけれどその背景にあるカルチャーにアイデンティファイすることは無い、という感じは、やはりジェネレーションの問題なんですかね……。
A :
「確かにそういうジェネレーションなのかもしれないけれど、でもギャングスタも好きだし、ハードコアも好き。そのノリやカルチャーも好き。ただ、自分らしさというか、やっぱり自分から出てくるものしかできないから。スキルがあるわけでもないし、できることは限られているので。それを形にするというところで、どうしても自分らしさというものは出てきてしまうのではないかなと」
C :
「自己責任が一番ラクっていうか。歴史には頼らないっていうか」
A :
「ジャンルではないと思っているんですよ。ジャンルで分ける感覚がないんです。逆にそうであることがアナーキーだったりパンクだったりするっていう感じはあるかな。捕われないっていうか。その時その時で納得のいくものができたらいいなと」