Against the Empire
スチャダラパーが放つ建設的な「文句」
09 3/26 UP
Text:honeyee.com Photo:Shoichi Kajino
- ──
- ありましたね（笑）。そもそもこの本はどのような経緯で出すことになったんですか。
- B :
- 「TOKYO FMでラジオ番組をやっていて、TOKYO FM出版から本を出せることになったんですよ。それで、ラジオでやっていることを連動させることになったんですけれど、ラジオの時に喋れる量はたかが知れているから、それとは別に何時間も喋ったものを収めたのがこの本。語りおろしです」
- S :
- 「編集をしてくれた方も同世代だから、見ていたものが近くて」
- B :
- 「TOKYO FMにいる20代の子たちは僕たちが何を喋っているのか全く分かりません、という感じでした（笑）」
- ──
- みなさんの世代は、同世代というだけでピンとくるキーワードがある最後の世代かもしれないですね。
- B :
- 「そうかもしれない。それこそみんながバラバラになる前。テレビはテレビで強烈で、みんなが同じ番組を見ていたような時代ですね」
- ──
- そして、『ヤングトラウマ』と同じタイミングでANIさんの写真集もリリースされたわけですが。
- B :
- 「これはスチャダラパーとは少し異なる、『ANIなるもの』です（笑）」
- ──
- 以前から写真集を出そう、と考えていたんですか。
- A :
- 「写真集作りません？ と言われたから、じゃあ作ります、と。ウェブサイトに写真をアップしていたら写真展の誘いが来て、そこからの流れです」
- B :
- 「はじめは完成した写真集を真面目に見ていて、なかなか良くできたアート作品だな、なんて思っていたんですけれど、ふと我にかえると、くだらない写真ばっかり（笑）」
- A :
- 「いつも、何か面白いものはないかな？ と撮るものを探しているんですよ。こうして完成したものを見てみると、家の近所の写真ばっかりで恥ずかしいです（笑）。下手なグラフィティアートみたいな、これやっちゃったな……、みたいなものが好きで撮影してきたんですけれど……。そういえば数年前にベルリンに行ったんだけれど、グラフィティって、街の中心部に描かれているやつはカッコイイけれど、街の中心部から離れるほど下手になるんですよね（笑）」
- S :
- 「東京もそうだよね。駒沢公園のグラフィティはカッコイイけれど、マイナー公園のやつは下手（笑）」
- B :
- 「みんな地元で練習してから街の中心部に来るから（笑）」
- A :
- 「でも、最近はネットとかにハウツーが出ているから下手なグラフィティを見る機会も減ってきているんですよ。それに、下手なやつは見ていて不快になるからすぐに消されちゃう（笑）。短命です」
- ──
- 『11』、『ヤングトラウマ』、『ブリングザノイズ』。この三作品を手に入れれば『スチャダラパーとは何か？』ということが分かりますよね。これだけ活動的なのも奇跡的です。
- B :
- 「僕たちと同じようなことを考えている人はたくさんいると思うんですけれど、それを表現する人は少ないですよね。でも、表現しないと、出してしまわないと何も変わらないから、バカはバカなりに、照れているなら照れているなりに、無理をしてでも表現しないといけないんですよ。そうしないと、次のものは作れないから」
【画像左より】
スチャダラパーニューアルバム『11』
初回受注限定生産盤CD+DVD：3,500円［税込］
通常盤：3,150円［税込］
tearbridge records
スチャダラパー単行本『ヤングトラウマ～ひろ子、ドカベン、バムバータ～』
1,680円［税込］
TOKYO FM出版
ANI写真集『ブリングザノイズ』
1,785円［税込］
リトルモア
