Dick Page reveals his truest colors
メイクアップ・アーティスト
ディック・ページの様々な顔
08 12/12 UP
Text:Tiffany Godoy Photo:Courtesy of Jed Root Translation:Miho Matsumoto
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- どちらの街も独自の美学がありますし、イギリスのファッションは日本のファッションに大きな影響を与えましたよね。
- 「逆も真なりだね。両方とも、エキセントリックなものを培養するようなカルチャーがあると思う。ロンドンも東京もきちんと抑制されていて、というステレオタイプな見方がされているけど、まったく間違っている。イギリス人の場合、ダークで残酷すれすれのユーモアから生まれているものも多いと思う」
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- NYの生活は気に入っていますか?
- 「すごく気に入ってるよ。狭い街ってところがね。まるで村人のような気分だ。どこでも徒歩か自転車で行ける。LAはやたらと大きくて、怖いんだ。仕事に行くのに45分もかけて街の端から端まで行かないといけないし。そこへいくとNYでは1つのテリトリーですべての物事が終わる。僕は以前ウェストビレッジに10年住んでいて、今はソーホーに住んでいるんだ。仕事の面からいえば、とても楽だよ。ロンドンでの生活は厳しかった。僕はすごくクリエイティブだったけど、クリエイティビティを食べて生きていけるわけじゃないからね。家賃も払ってくれないし。それでアメリカに移った時は、『お金をくれるんだ!』って新鮮に驚いたよ」
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- NYに移り住むことを決めた時点で、フォトグラファーとして、またメイクアップアーティストとして妥協せざるをえなかったように思えます。本当にクリエイティブなことができていると感じていますか?
- 「そう思うよ。とてもラッキーだし、それはユルゲンやジェニー・ゲイジ、トム・ベタートンみたいに一緒に組んで仕事をしているアーティストとか、資生堂でやっているデザインの仕事のおかげでそう感じる。でもそれと同時に僕は自分の時間軸で、自分で決めた方向に進んでいる。年をとると、わかりきったことをやり直す必要はなくなるんだよ」
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- それよりも自分のスタイルや感覚を磨くことが大切になってくるんですか?
- 「自分が何者か、様々な状況で自分が与えられるものは何かということをより深く知ることだね。それに、密接に仕事をするデザイナーという存在もある。僕の場合、マイケル・コースとは10年間一緒に仕事をしてきている。お互いにバックグラウンドも感覚もまったく違うにもかかわらずとてもいい関係を持てているし、彼のやり方、彼の世界で働くことに何の依存もない。逆もそうだね」