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THINK PIECE

ワイデン+ケネディと東京

Mission : W+K session

08 1/28 UP

Text:Masahiro Hattori Photo:Shoichi Kajino(atelier L'APPAREIL-PHOTO)

──
日本に来て物作りをするようになって何か変化はありましたか?
DR:
アメリカにいる時はケーブルやテレビ、ネット、アメリカの違う州や地域などから変化を受けるんだけど、東京の場合は外に出た瞬間に常にそこにインスピレーションがある。まだ日本に来て一年だけど、日本の美学やものの作りかた、全てが効率良くコンパクトであることなどから変化を受けています。
CH:
日本は消費の多い国だけど、アメリカと違ってエコだと思う。
──
次に何が来ると思いますか?
CH:
中国かな。
──
日本にいながら中国?
CH:
アメリカに行ってもどこに行っても常に、次は中国だという話をしている。
──
ただ、日本で成立したモデルを中国に持っていくのは無理があると思うのですが、どう思いますか?
CH:
同感です。
──
とはいえ、中国に可能性を見いだす人たちがたくさんいるのもわかります。日本に興味を持つのは、日本に同化できるタイプの外国人ですね。一方で、中国に関心を持つ人たちは中国に同化するのではなくて、ゲームの相手ということなのだと思う。なので、やりがいのある相手だと注目している。同じアジアとはいえ、日本のマーケットとは異質なものに成長すると思うんです。
CH:
僕もそう思う。日本で成功したものを、そのまま中国に持って行っても、それは育たないと思う。
DR:
中国は音楽の面でもアートの面でもビジネスでも、今独自のものを作っているところ。それはどこの国でも成長段階の痛みみたいなものはあると思うけど、最終的には中国は凄い国になると思う。

 

──
では今のアメリカで「次に来る」ものは何ですか?
CH:
ケータイ。でも、そういうと日本人はピンとこないみたいだけれどね(笑)。日本の携帯電話のQRコードはいいね。すでに3〜5年くらい前から日本にあるけど、アメリカに帰るとバーコードを撮ってそこからインフォメーションに到達することはまだないから。
DR:
アメリカ自体が「次」に進むんじゃないかな。テクノロジーが万遍なくアメリカ全土に拡がることによって、音楽だったりアートだったりをDIYによって誰でも自分で作れるようになるからクリエイティビティが上がることを期待してるよ。
──
ただ、そうなるとクリエイティビティは拡がるけど、プロフェッショナルの存在意義がなくなってしまわないですか?
CH:
逆にそれって今まで才能があってもリソースがなかった人たちにとってのチャンスが拡がるってことでもあるけれど。
DR:
ジャンクなものも見ることになると思うけど、その結果、グローバルに才能を拡げていくことができるはず。だから、全体としてのクリエイティビティが増すと期待しているよ。
──
エンターテインメントやクリエイションをグローバルな価値観が全般的に覆ってしまうと、先ほどの日本の良さでもあると言っていたローカルな部分が薄まって、日本がつまらなくなってしまいませんか?
CH&DR:
たしかに(笑)。でも、そうならないことを願ってるけど。
DR:
NY、ロンドン、東京もローカルなものは完全にはなくならない。それぞれグローバルになっていくことで、逆に各地の独自性−どうしてもグローバルにできないもの−が残ると思う。

NIKE ASIA・US BASKETBALL "THE BEGINNING" 2007