NIKE ASIA "PREMIUM PERFORMANCE CAMPAIGN" 2006NIKE JAPAN "ART WORK FROM Z¥$ FOR JOGA BONITO ZINE" 2006
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- そして、そうしたコミュニティのインサイダーになってしまえば次の情報も早くゲットできるというのもある。
- I :
- そう。ただ、間接的にじゃなくて、どっぷりつかることが大事。一昨年に水戸芸術館でグラフティの展覧会があった時に、一緒に一ヶ月くらい合宿してたんです。そういう風に自分自身もカルチャーの真ん中にいないと彼らって心開いてくれないんですよね。僕はそういったところが楽しい。そういったところが僕の価値基準の中で高いので。他のクリエィティブを作ってる人たちは見た目でヤバイからやっちゃって、それで一回キリで終わっちゃって、そのあと何もしないとそこで終わっちゃうけど。そういうつき合い方を僕はしたくないんですね。もっとその先のビジョンを考えながら、一緒に物事を出したりとかコミュニケートしていきたい。そこが多分受け入れられてるというか信頼関係を築けているところだと思います。お互いをリスペクトできるかどうかによって全然違ってくると思うんですよね。変な言い方ですが、アーティストに僕の仕事を利用して欲しいくらいの感覚でやってもらいたいというか。それを彼らが一つのステップにして、次のステップにいければいいと思うんです。もちろん、プロジェクトに対して僕はビジネスとして成立する責任を負うけれども、そういったチャンスを与えられるポジションにいると思うので。
- Y :
- 結局、いいもの作ればビジネスは必然的についてくるんですよ。自分たちの作った成果が話題になって、クライアントにとってもポジティブな影響を起こして。だから、その辺は何も恐れずに自分たちが作るものっていうのを最優先して、世の中に何かしらの影響を与えていけば、それは自分たちに戻ってくるという考え方なので。それに、うちはメディアを扱っていないというのがある。僕らはアイディアを持ち込んで、こういう風に表現に完成させていくというのが勝負。メディアの考え方も進化していますがどういう露出のされ方にしていくとか、何千万人が見てこういう広告っていうのはコスト効率がいいという、不動産みたいな感じですよね、ブランドに対する見方を変えたり、自分の人生経験を変えたりすることが重要だと思います。不登校の女の子がナイキのイベントに来て、その次の月にお母さんから手紙が来て、また学校に戻って、前辞めた部活にまた入ったとかいうこと聞くと、凄くグッときちゃうんですよね。小さなイベントで500人くらいしか来なかったけど、その中の一人の女の子の人生を変えることができたのならという喜びは、どんなに長い時間働いても、どんなにクライアントと戦っても、一瞬にして全てが報われたなというのがありますね。
NIKE ASIA "PREMIUM PERFORMACE CAMPAIGN" 2006