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THINK PIECE

STREET WEAR HISTORY

カルチャーの番人"ロジャー・K・バートン"が語る、
ブリティッシュ・ユース・ファッションの歴史

08 11/5 UP

Text:Andrew Bunney Translation:Mayumi Horiguchi

パンクス (1976年〜79年)
左 :
この世界には、たくさんの詐欺的な行為がはびこっていた。このルックはヴィヴィアン・ウェストウッド/マルコム・マクラーレンによるものだが、これは完璧にフェイクだ──この時代ならではの贋作と言えるね。彼らはアナーキー・シャツで有名だが、実はこれはウェンブレックスのストック品を再利用したものだ。色を染め、ブリーチし、政治的なスローガンを張り付けたんだ。ウェンブレックスのシャツは、ポーツマスが原産だ。我々の内の何人かで国中を旅して、アドレスを交換し合った。そのうちの一人が、ポーツマスにあるこのメーカーの所在地を確認している。このメーカーはジーンズを販売していたが、それ以前にシャツを作っていて、その当時はウェンブレックスという名前を使っていた。マルコムは我々よりも先に、この場所を訪れていた。そしてたくさんの商品をここから買い上げ、テディ・ボーイ関連商品として、販売していたんだ。でも、それら全部を売り切ることができなかったから、カスタマイズして、後に開いたショップで、アナーキー・シャツとして売り出したというわけだ。我々はそれらを購入し、純粋なウェンブレックス社の製品として、日本に販売した。襟元は高く、タブカラー、あるいはピンホールカラーだね。シックスティーズ中期の、デイヴ・クラーク(註10)のスタイルさ。これらのパンツは、キングス・ロードにあった他のパンクの販売店である「スマッツ」の商品だよ。
右 :
セディショナリーズのオリジナル商品の、モスリンのトップスだね。ミニのタータン・チェックのスカートは、当時の流行だね。デッドストック品のブーツを合わせることも、時々あったよ。
註10:デイヴ・クラーク……デイヴ・クラーク・ファイヴ<The Dave Clark Five>のこと。1960年代に活躍した英国のバンド。DC5と略される。

 

パンクス (1976年〜79年)
左 :
ウェストウッドの手による、ボンデージ・スーツで完璧に決めてるね。たくさんのストラップ、ジャケット、そしてパンツ。このコックスのブーツは、彼らがカスタマイズしたものだ。
右 :
彼女のブーツも同じだね。同じパンツだけど色は白で、カスタマイズされたブレザー、「フィフス コラム」(註11)の腕章も付けてるね。シドのTシャツは超限定品だよ。
註11:フィフス コラム……国家に忠誠を誓う、秘密組織に属する集団を指す言葉。ファシストやナチスとの戦闘時に多用された。第二次世界大戦初期の英国においては、幅広い意味で使用された。